前回、前々回と、トランスミッターをレビューしました(Ankerのトランスミッターの記事はこちら。中華製トランスミッターの記事はこちら。)が、どの商品もお勧めできる商品ではありませんでした。
その後、良質なトランスミッターを探し求めて、ネットサーフィンしていたところ、この商品に出会いました。
早速購入し、使用したところ、なんと……正常に使えました!
しかし、このトランスミッター、悪い点もかなりあります。
なので、胸を張って、お勧めできる商品というわけではなく、他のトランスミッターが正常に使えないため、この商品を買った方が良いという意味での、「お勧め」です。
この記事を読めば、このゼンハイザートランスミッターがどんな商品か、良い点・悪い点・注意点すべてわかっていただけると思います。
Contents
どんな商品なの?
商品概要
前回、前々回の記事でも説明しましたが、Bluetoothオーディオトランスミッターとは、Bluetoothのオーディオ機器をBluetooth非対応の機器と接続可能にする機器です。
こちらの商品は、前回、前々回の記事で紹介した商品とは違い、レシーバー(受信機)機能はなく、トランスミッター(送信機)のみの機能しかついていません。
トランスミッター(送信機)の使用例を下に記載します。
使用例
このように使います。
私は、Bluetooth非対応のTVをBluetoothイヤホンに接続する用途で使用しています。
接続方式
3.5mmステレオミニ(アナログ)と光デジタル接続(光角型)から選べます。
3.5mmステレオミニ(アナログ)端子の外観。
光デジタル接続(光角型)端子の外観。
私は光デジタル接続(光角型)で使用しています。
電源
電源は充電式ではなく、常に給電しなければ動きません。これは、一見不便そうに聞こえますが、実はとても良い点なのです。詳しくは良い点②で述べます。
USBの規格は、USB Micro B(本体側)-USB Type A(給電側)です。
メーカーについて
メーカーは、ドイツの有名オーディオメーカー、ゼンハイザー製です。
ゼンハイザーは、数多くの音質の良いヘッドホン・イヤホンを製造しています。
そのゼンハイザー製なので、信頼できる商品だと思います。
どんな商品か、文章で説明しました。
次は、画像で、どんな商品か見ていきましょう。
外観チェック!
上から見た外観。
正面から見た外観。
後ろから見た外観。
Ankerのトランスミッター・レシーバーと比較。
どんな商品かイメージできましたか?
次は、こちらの商品の良い点・悪い点を述べていきたいと思います。
ゼンハイザー製トランスミッターの良い点
良い点①正常に使用できる。ただし、注意点あり。
今現在、(2021年06月時点)AmazonにはBluetoothトランスミッターの粗悪品が出回っています。
私も、そういったトランスミッターを購入してしまいました。
それが、前に公開した記事で紹介したトランスミッターです。(前に公開したAnkerのトランスミッターの記事はこちら。中華製トランスミッターの記事はこちら。)
これらの記事を読んでいただければわかりますが、そう言った商品は正常に使えません。
音が途切れたり、音質が悪かったり、そもそも接続ができないなど……ひどいものです。
ですが、こちらの商品は正常に使えます。
音が途切れることも、音質が悪いことも、接続ができないこともありません。
ただし、同じゼンハイザー製のBluetoothイヤホンを、Smart Controlアプリで接続させた場合しか、スムーズに接続できません。
Smart Controlアプリとは……ゼンハイザー製無線オーディオ機器のBluetooth接続や、管理、イコライザの調整、コントロールの設定等ができるアプリ。詳しくは、ゼンハイザーMOMENTUM True Wireless 2の記事(記事はこちら。)で解説しています。
Ankerの無線イヤホン、Anker Soundcore Liberty Air 2 Proを接続させようとしましたが、なかなか接続できませんでした。
よって、この商品をスムーズに接続して使うには、ゼンハイザー製のBluetoothイヤホンと、Smart Controlアプリを入れるためのスマホが必要になります。
良い点②バッテリー式ではない。
このトランスミッター、バッテリー式ではありません。
これが良い点なの?と思った方もいるでしょう。
そうです。良い点なのです。
前の記事を読んでいただいた方ならわかるかと思いますが、前に紹介したトランスミッターは2つともバッテリー式でした。
その2つともが、充電しっぱなしで使用すると、音が途切れる等、不具合が起きたのです。
しかし、このトランスミッターはバッテリー式でないため、「充電」ではなく、常に「給電」することになります。
そのためか、給電しながら使用しても、今のところ不具合なく動作しています。
また、バッテリー式だと、どうしても残りの電池が気になりながら使うことになります。
それに対し、給電式だと、残り電池を気にせず、ずっと使えます。
この2点から、給電式は、良い点だと思うのです。
良い点③3.5mmステレオミニ(アナログ)ケーブル、光デジタル(角型)ケーブル、USBケーブルが付属しており、届いてすぐ使える。
画像のような、3.5mmステレオミニケーブル
光デジタル(角型)ケーブル、
USB Micro B-USB Type Aケーブルが付属しています。
なので、届いてすぐ使用することができ、非常に便利です。
また、ケーブルの質も良いと思われます。
これは嬉しいですね。
以上が、このゼンハイザー製トランスミッターの良い点でした。
「正常に使える」という大きな良い点があるため、このトランスミッターはお勧めできるトランスミッターだと言えます。
しかし、冒頭でも述べたように、この商品は、欠点のない、万人にお勧めできるトランスミッターではありません。
結構悪い点があります。
次に、このトランスミッターの悪い点を見ていきましょう。
ゼンハイザー製トランスミッターの悪い点
悪い点①高額
他のトランスミッターの価格は3,000~4,000円が相場ですが、このトランスミッターは現時点(2021年06月時点)のAmazon価格が、9,500円と、かなり高額です。
ですが、この商品は良い点で述べた通り、きちんと使えます。
他のトランスミッターは正常に使えないものが多いため、他のトランスミッターを購入するより、高額ですが、この商品を購入したほうが良いです。
しかし、良い点①で述べたように、このトランスミッターにスムーズに接続するには、ゼンハイザー製BluetoothイヤホンとSmart Controlアプリが必要です。
その価格も考えると、合計価格がかなり高額になってしまいます。
トランスミッターにこんな価格出せないという方は、お勧めできません。
悪い点②トランスミッター(送信)機能しかない。
他のトランスミッター機器には、トランスミッター(送信)機能だけでなく、レシーバー(受信)機能が搭載されているものが多いです。
前に紹介したAnker製トランスミッター、中華製トランスミッターの2つの機器には、2つともレシーバー(受信)機能がついています。
しかし、こちらのトランスミッターには、レシーバー(受信)機能はついていません。
なので、レシーバー機能を使いたい方は、この機器では使えませんので注意が必要です。
ただ、Bluetooth非対応の機器(PCや、TV等)にBluetoothイヤホンを使えるようにする用途でしか使わないという方は、トランスミッター(送信機)機能だけがあれば良いので、デメリットになりません。
悪い点③とある条件がそろうと、ノイズが発生する。
このトランスミッター、とある条件がそろうとノイズが発生します。
ノイズが発生する条件は、下の2つです。
- 長時間使用した場合。(3~4時間程)
- USBの電源を、PCのUSBポートなどで給電した場合。
このどれか一つでも当てはまると、ノイズが発生します。
ノイズは、「ジジジ……」といった不快なノイズです。
音が完全に途切れるわけではありませんが、少し気になりますね。
この点があるので、このトランスミッターは万人にお勧めと言えませんが、他のトランスミッターだと、音が途切れたり、接続が中々できなかったりするので、このトランスミッターの方がまだ良いと思います。
USBの給電は、USB Type A ポートの、コンセント充電器で給電すると、ノイズが発生することはないので、別途購入することをお勧めします。
悪い点④接続しているコーデックが分からない。
今接続しているコーデックが何なのか分かりません。
コーデックとは……音声データは、Bluetoothで無線伝送される際、圧縮されてから、無線伝送されます。その圧縮の方式のことをコーデックと言います。コーデックによって音の遅延や、音質が変わります。
中華製のトランスミッター・レシーバーでは、ランプが光り、接続しているコーデックが一目で分かりました。
なので、そのようにして欲しかったです。
それか、Smart Controlアプリで今接続しているコーデックが何か、分かるようにしてほしいですね。
アップデートに期待しています。
悪い点⑤遅延。
このトランスミッター、結構遅延が発生します。
恐らくAptXで接続していると思うのですが、それでも遅延がかなりあります。
遅延があると、映像と音がずれる現象が起き、慣れないとストレスに感じる恐れがあります。
また、このトランスミッターをゲーム機に接続して使おうとしている方にとって、遅延はかなり大きな悪い点になります。
音ゲーや、FPS、格ゲーなどの、音が重要なゲームはまともにプレイできない恐れがあるからです。
なので、音が重要なゲームは有線ヘッドホン・イヤホンでプレイした方が良いです。
そう聞いて、AptX LLで接続すれば問題なくなるのではないか、そう思う方もいらっしゃると思います。
その通りです。AptX LLで接続すれば、この問題は解決すると思われます。(このトランスミッターは、AptX LLに対応しています。)
AptX LLとは……AptXよりも低遅延なコーデック。
コーデックとは……音声データは、Bluetoothで無線伝送される際、圧縮されてから、無線伝送されます。その圧縮の方式のことをコーデックと言います。コーデックによって音の遅延や、音質が変わります。
まだ、検証はしていませんが、AptX LLの無線イヤホンで接続すれば、遅延が気にならなくなると思われますので、AptX LLのヘッドホン・イヤホンを手に入れ次第、追記したいと思います。
まとめ
Bluetoothオーディオ機器を、Bluetooth非対応の機器(PC・TV等)に接続できるようにするゼンハイザー製トランスミッターです。レシーバー(受信機)機能はついていません。正常に使用することができる、お勧めのトランスミッターです。
- 正常に使える。ただし、同じメーカー(ゼンハイザー)の無線イヤホンを、ゼンハイザーが提供しているSmart Controlアプリで接続した場合でしか、スムーズに接続できない。他のメーカーの無線イヤホンの場合、接続がなかなかできない。
- バッテリー式でなく、給電式のため、安定して動作する。
- 高額。
- 通常、Bluetooth トランスミッターには、レシーバー(受信機)機能が付いている場合が多いが、この商品には、トランスミッター(送信機)機能しかついていない。
- PCのUSBポートで給電すると、ノイズが発生するため、USB充電器(USB Type A ポート)を別途購入しなければならない。また、USB充電器で充電したとしても、3~4時間に一度はノイズが発生する恐れがある。
- 接続しているコーデックが分からない。
- 遅延が結構あるため、ゲーム用途で使用したいと考えている方は、注意が必要。なお、筆者未確認だが、AptX LL接続だと改善される可能性有。